外観検査は「Japanブランド」でカネを取れ!

2023/02/26

品質管理

t f B! P L
最終更新日:2024年2月3日


どうも、おばんです。QCたかです。
製品に「キズ」がないこと。これは素晴らしいことで理想的です。

「キズが好きなヒトはいません」
でも、好き嫌いだけで、大切な資源をムダにしてもいいのですか?

新しい提案をしてみたいと思います。


外観検査に困っている・・・

外観検査は、問題なくうまくいってますか?
ボクはうまくいってないです。

外観検査は、モノの見た目が基準に対して適合しているか確認する検査のことです。

例えば、新しいスマホを買ってきたとします。
ウキウキして箱を開けたとき、ディスプレイにキズが入っていたらどうでしょう?
イヤですよね。
あなたは買ったお店に走り込んで、文句を言うでしょう。

それでは、スマホの背面に小さなキズがあったら、どうでしょう?

お店に行きますか?
諦めますか?

悩みますよね?

ディスプレイは許せなくて背面は諦める理由は、ディスプレイがスマホにとって、重要な機能だから、と言っていいでしょう。

ディスプレイは常に人が見るところ。
綺麗な画面で綺麗なSNSをみんな見たいはずです。
ディスプレイにキズなんてもってのほか。

だから、スマホのディスプレイにキズがないことはユーザーにとって当たり前という意識になります。

この「当たり前」とユーザーが思うことを「当たり前品質」と言います。
キズがないことは、当たり前、キズがあれば不満足、となるのです。

外観検査は価値観と考え方で差が出る

「外観検査」が難しいと感じる原因は、ユーザー一人ひとりで「価値観」や「考え方」が違うからです。

あなたにとって許せないキズは、他のヒトにとっては許せるキズかもしれません。

そして、キズの程度(大きいとか小さい、深いとか浅いとか)にも左右されることがもちろんのこと、「価格」によるところも多いはずです。

100円ショップで買ってきたマグカップにキズが付いていてた場合、気にはすると思いますが、お店に走っていくことはあるでしょうか。

「もっと陳列していたマグカップを見比べておけばよかった」

と後悔をするだけでしょう。
そして、その後悔も長くは続かないはずです。

逆に、高級デパートで買った1万円のマグカップであれば、どうでしょうか。

ボクは納得いかないので、デパートまで走っていきます。

キズゼロはオプションへ

このように、外観検査は「人の価値観」「価格」に影響を強く受けるわけです。

ですが、ここまでの内容を見たあなたは、「限度見本」「不適合見本」をお客様と取り交わし、基準を決めておけばよい。

そして不適合が出た場合は、その原因を特定し、是正していけば、二度と起こらない。
これが問題解決の手法だ、と仰ると思います。

まったくその通りです。

品質管理手法に従えば、その通りです。
ボクも真正面から答えれば、その答えです。

外観検査の定義は下記になります。

外観検査 products appearance inspection
製品の外観を目視により、適合/不適合、あるいは等級を判定する検査。官能検査の一つ。一般に標準見本を定めて判定基準を統一することが多い。外観検査は、検査が行われる場所の明るさ、光線の方向、製品を見る角度などによって目に映る感じが大きく異なることがある。
また、判定者の個人差や外的要因に影響されることもあるので、複数の判定者が独立に判定し、その平均値で評価する方法が取られる場合もある。

ークォリティマネジメント用語辞典(2004年発行 吉澤正 日本規格協会)より引用




ただ、ボクはQCたかです。

「たか流QC」を提案する立場にあります。
なので、ボクが提案する提案は、

「外観をオプションとしてパッケージングしてしまう」

ことです。

先ほど言った「人の価値観」について、生活環境や生まれた国、ご両親の教育などで変わります。

日本人はとにかくキズに敏感だと思います。
多少のキズも気になります。

気になれば、メーカーにクレームを言います。

メーカーはお客様第一主義ですから、クレームに対しては是正をしなければなりません。

その結果、キズの判断はどんどん厳しくなり、最終的に「キズゼロ」でのものづくりが今の日本のスタンダードとなっています。

そして「日本の品質は最高!」と世界からおだてられたことで拍車がかかり、有頂天になったまま「キズゼロ」を強力に進め、挙句の果てに、世界から「日本は高すぎる」と言われ、海賊版が世界中に回り、サードパーティの進入により、日本製は売れなくなりました。

日本国民全員がキズに敏感になりすぎていった結果、世界での競争力を失ったのです。

ボクは、いまさら日本人が「キズゼロ」を捨てるとは思えません。

そんな国民性ではない。

であればいっそのこと「キズゼロ」をオプションとしてしまえ、ということです。

「キズゼロ」の製品を「Japanグレード」、キズがあっても許される製品を「Globalグレード」として販売し、ユーザーに選ばせればよい。

これが、日本の高品質を付加価値としてアピールしながら、世界市場と戦う方法と思うのです。

日本の労働人口は減る一方。
そして世界の資源は限られている。
いつまでも旧来の日本品質をそのまま続ける時代ではないのだと、思うのです。

それには、
「日本国民が「キズゼロ」は当たり前ではない、金で買う、特別なコトなのだ」

と理解することが重要であり、そして、それを日本から世界へ発信することが大切なのです。

世界に、日本の「右ならえ」をさせてはいけません。

それではいつまでたっても、SGDsのゴールには近づけません。

資源のない日本だからこそ、発信する価値があるのです。

オススメ書籍



外観検査とは何か、問題と解決策を説明する本です。
ボクとは考え方が違いますが「正しいやり方」を学びたい方は読むべきです。

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品質管理に関するブログ「QCたかのたか流QC」では、自身の経験を活かし、品質管理への疑問、新しい提案、QCスキルのテクニックなどを配信。 「みんながハッピ〜♫になる品質管理を!」をポリシーに活動中。 品質管理検定1級合格。 日本品質管理学会所属。 機械加工、設計を経て、現在は半導体業界のメーカーで品質管理に従事。

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