最終更新日:2023年10月29日
どうも、おばんです。QCたかです。
書類での品質管理監査を受けるときありますよね。
小さい企業は困っています。
大企業の皆さんには、ぜひ読んで頂きたい。
品質管理監査について考える
世の中に「品質管理監査」というものがあります。
「監査」ですから、自分たち組織の「いろいろなトコロ」を見られます。
「監査」ですから、自分たち組織の「いろいろなトコロ」を見られます。
見るのは、これらの人たちですね。
- 公共公的機関(なんとか法人とか、なんとか省とか)
- 品質保証の認証機関(ISO9001認証機関の○○会社とか)
- お客さん(注文をくれる○○会社とか、○○さんとか)
- 自分たちの自身(○○社長とか、製造部門の○○課長とか)
「品質管理監査」の目的ですけど、簡単に軽い感じでで言えば、
「ちゃんとルール通り作ってるよね?ルールと証拠見せて?」
になります。
だから、ボクたちのアンサーは、
「ルールはこれです」
「証拠(エビデンス)はこれです」
となりますよね。
これを「書類」で確認しちゃう「品質管理監査」というものが、世の中にいっぱいあります。
ボクは、これをよくやっているのですが、まぁ、結構面倒なのです。
定期的に「書類」の「品質管理監査」の依頼をしてくるお客さんがいます。
監査には「チェックシート」があって、この通り回答してくれればいいからさ、といった感じで、1問1答で記入していきます。
何年も、フォーマットが変わらないお客さんがいます。
そういうのは楽です。
コピペでいいですから。
お客さんのフォーマットが変わると大変です。
それこそ本当に1問1答ですよ。
コピペタイプは関係書類を更新したり、入手したり含めて、まぁ、1日もあれば終わります。
新しいフォーマットで、設問もめちゃくちゃ多くて・・・なんて最悪です。
真剣に1問1答していけば、1週間はかかります。
ようは、面倒くさいし、地味だし、変な回答もできないし、ボクの中ではかなりイヤな仕事です。
いろいろなお客さんから、同時に依頼があったり、ほかの急いでいる仕事があるときに依頼があったりすると、もう最悪ですね。
なにせね
「楽しくない!!」
これにつきますね。
だから、QCたか流の想いとしては、
「ISO9001認証されているのに、受ける意味ある?やめさせてほしいんですけど?」
となります。
枕言葉に「ISO9001認証」を書いています。
ここが、大事なポイントじゃない?とボクは思うわけです。
参考までに、言葉の定義を下記しておきます。
監査 audit
監査基準が満たされている程度を判定するために、監査証拠を収集し、それを客観的に評価するための体系的で、独立し、文書化されたプロセス(Q9000、Q19011)
ークォリティマネジメント用語辞典(2004年発行 吉澤正 日本規格協会)より引用
ISO9001認定証の使い道
「ISO9001」は国際的な標準化の組織(ISO)が作った規格です。
品質管理に特化したシリーズで
「組織として動けます?」
「動くにはこの規格を守るといいよ」
と、教えてくれます。
組織をマネジメントする仕組み(システム)をルール化したものですね。
そして、この仕組みを、自分の会社に取り入れた人たちがISO9001の認証機関から「監査」(またかよ・・・)を受けて、「いいですよ」と言ってもらえれば、堂々と「ISO9001を認証取得しました!」と宣言できる、となります。
この「ISO9001」の認証取得には、おカネと時間と人員がかかるわけですよ。
うん十万から、ひゃくうん十万円規模の話です。
また、この認証を継続するには、また、おカネをわざわざ払って、「監査」を受けるわけです。
そんなに、おカネも時間も使って認証取得したのに
「認定証」を使う場所ってなくない??
と思うのです。
ISO9001を認証取得をしたことがムダとは言いません。
自分たちの組織を、一定のルールのもと動かす活動は必要ですから、認証取得へのプロセスや、維持・管理の活動はやるべきです。
(QCたか的には「ISO9001に文句を言いたいですが、それはまた別の機会で・・・)
そうじゃなくて「認定証」そのものの活用する場所がない、と思ってます。
例えば、お客さんが実際にこられる「監査」でもそうですね。
「ISO9001を認証取得していますか?していれば見せてください」
「認証取得しています。これです(見せる)」
「はい、どうも。有効期限は・・・、あ~、大丈夫ですね。
へ~、○○会社から認証取得受けているんですか。うちは○○会社ですよ」
へ~、○○会社から認証取得受けているんですか。うちは○○会社ですよ」
「そうなんですね(緊張、ってかそんな会社知らんし)」
「ありがとうございました。次の質問です。御社はちゃんとルール通り仕事してます?」
・・・
「ルール通りやってるから証明書もらってるんだろ!!(怒)」
ましては、認証機関のプロから「監査」を受けて、証明されたものです。
お客さんの「能力が低い」までは言いませんが「プロよりは高い」とは思いません。
アマチュアが何を言おうが、プロからもらったお墨付きを覆せるはずがありません。
とは言え、お客さんと顔を見ながら「監査」を受けること自体は、意味があります。
「すべての監査」は「抜き取り」ですから、思いがけないところで、不適合が
見つかったりするものです。
不適合が見つかれば、改善につなげられます。
「監査」を受けるのは、パワーも時間も精神的プレッシャーもかかるので、イヤですが、改善につながるのであれば、「止む無し」です。
そんな改善にもつながらないのが「書類」での品質監査です。
ボクの経験上、不適合で指摘されたことはありません。
(それは、ボクたちが上手に作っているだけかもしれませんが)
そもそも「提出したチェックシート、見ているんだよね?」と、お客さんに聞いてみたいです。
「ただのエビデンスとして、チェックシートが欲しいだけなんじゃない?」
と、ボクは思うわけです。
実際に、ボクならチェックシートは見ません。
見たって、パラパラと、空欄がないかな?ぐらいになります。
そして、もらった「ISO9001の認定証コピー」を一緒に付けて、即ファイル行きです。
これって、意味がある活動なのか?と思うわけです。
高いカネで買った認定証が、その効果を発揮していないのです。
認定証があるのだから、チェックシートなんて、いらないんじゃない?と言いたいわけです。
紙信仰文化を持つ日本人
「書類」による「品質管理監査」は、日本の文化や国民性が顕著に出てしまっています。
日本人は「紙」が好きです。
どんなにデジタル化を進めようとも「紙」が好きです。
「紙文化」は簡単に変えることはできません。
古来より、家と外の区分けは「紙」でした。
今でこそ減りましたが「障子」「ふすま」がある家が普通でした。
「紙」と同じ読み方をする「神」になぞらえる部分もあるのでしょう。
「紙」には「神」を連想させ、神事には「紙」が多く使われます。
「紙文化」を変えようとか、ペーパーレス化を進めようとか、欧米ライクのアプローチでは絶対になくならないと思います。
これは日本人の古来からの宗教である「神道」と深く結びついているノスタルジーなのだと思います。
アニミズムとして「紙」に「神」が宿る。
だから、変わることはない。
日本人が「紙」好きであり、「紙文化」が変わらないことは理解いただけたとおもいますが、やっぱり「認定証の紙1枚」で良くないですか?
「紙」が好きなのだから、「紙」さえあれば良いのでしょ?
認定証の「紙」には、「高いカネ」と「人々の労力」と「ルール通りできている証明」と「神」が宿っているのですから。
「紙」による品質管理監査なんて、実にもったいない文化だと思います。
書類品質管理監査はISO認定証1枚で完結!
これが、令和時代のトレンドにするべきです。
日本人の労働時間を減らすことができます。
働き方改革で、働く時間は減っています。
同じように人員も減っています。
掛かる時間は減らすしかありません。
ムダな時間ならなおさらです。
大企業による「品質不正問題」が多くあるなか「品質監査」を疎かにできない、という意見もあるでしょう。
でも、大企業からこのような活動をして行かないと、この文化は変えられません。
中小企業の力では、大企業に逆らえません。
中小企業を信じていただくほか、ありません。
お互いの信頼感を持ってビジネスは成り立つのでしょうから、一回信じてもらえれば良いのだと思います。
信じられないときは「対面」で不適合を指摘してもらえれば良いのです。
よりよい「社会」をみんなで目指していきましょう!
オススメ書籍
リンク
リンク
ISO9001の要求事項が記載している言わば「教科書」です。
「おもしろいか」「おもしろくないか」で言えば、もちろん「おもしろくない」です。
「教科書」ですから。
ただ、手元に1冊持っておけば、困ったときに助けてくれます。
「社内ルール」<「ISO9001」です。
社内ルールで迷うことがあれば、この本を開きましょう。