QC7つ道具「管理図」。時間をかけず「サクッ」と描いちゃおう!!

2024/02/12

Excel QC7つ道具 QC検定 品質管理

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 最終更新日:2024年2月12日

どうも、おばんです。QCたかです。

QC7つ道具のひとつ「管理図」ですが、キレイに描けていますか?

まさか、手書きで管理線を引いていないですよね!?

キレイに描きたいアナタに描き方のテクニックを教えます。

最後まで見て行ってくださいね。


キレイなグラフはチェックシートから・・・

管理図には、どのようなチェックシートを作ればよいでしょう。

まず、タテに「群(ロット)」、タテに「群(ロット)の大きさ」つまり、1ロット内のデータの個数を記入できるチェックシートを準備しました。
  • 群(ロット)の数は「10」(ヨコ)
  • 群(ロット)の大きさは「5」(タテ)

それでは、それぞれにデータを入力してみます。
なお、今回は「乱数」を使っています。


こんな感じですね。

統計値を入れてみよう!

管理図には、必要となる統計値があります。

その統計量を入力する前に、手間ですがもう一度、群(ロット)を入力します。
直接入力は止めて、セルの引用をしましょう。


何のために?

と思うかもしれませんが、このひと手間が後で効いてきますので、ここはダマされてください。

引用できたら、セル右下の「四角」をクリックしたまま・・・

ドラッグ~!!


はい、これですべて引用できました。


Xbar管理図の統計量【平均Xbar】

「平均Xbar」を入力しましょう。

1群(ロット)ごとの平均値を求めます。

=average(群の大きさ)


Xbar管理図の統計量【平均平均Xbarbar】

「平均平均(Xbarbar)」を入力しましょう。

群(ロット)ごとの平均を1つのデータとし、すべての群(ロット)の平均値から平均を求めます。
=average(群(ロット)の平均値の平均)

セルを選択した直後、PCのキーボード「F4」キーを押します。
押すことで「セルが固定」されます。

これをしないと、あとでグラフがぐちゃぐちゃになってしまいますので、必ずやりましょう。

Xbar管理図の統計量【平均値+3×標準偏差】

「平均値+3×標準偏差」を入力しましょう。

平均値は、先ほどの「平均平均Xbarbar」です。
標準偏差は「各群(ロット)の平均Xbarの標準偏差」です。

=平均平均Xbarbar+3*stdev.s(各群(ロット)の平均Xbar)

標準偏差(stdev.s)を入力するときは「F4キー」を押してセルを固定しましょう。

Xbar管理図の統計量【平均値-3×標準偏差】

さきほどは「+」をしたので、次は「-」をします。

やることは一緒です。
「F4キー」のセル固定は忘れずに!

=平均平均Xbarbar-3*stdev.s(各群(ロット)の平均Xbar)

R管理図【R】

頭を切り替えて、このままR管理図の入力をしていきます。

Rは「範囲」とか「レンジ」を意味しています。
群(ロット)の大きさで、一番大きい値と一番小さい値の差を求めるものです。

=max(群の大きさ)-min(群の大きさ)


R管理図【範囲平均Rbar】

各群(ロット)の範囲Rの平均を求めます。

=average(各群(ロット)の範囲R)

これも「F4キー」でセルを固定します。
とても大事な作業です。
忘れずに!

R管理図【平均値+3倍の標準偏差】

X管理図と同様に「平均値+3倍の標準偏差」を入力します。

平均値は「範囲平均Rbar」です。
標準偏差は「各群(ロット)の範囲Rの標準偏差」です。

=範囲平均Rbar+3*stdev.s(範囲R)

「F4キー」でセルを固定します。

R管理値【平均値-3倍の標準偏差】
「+」とくれば、もちろん「-」ですよね。

同じように入力していきましょう。

=範囲平均Rbar-3*stdev.s(範囲R)

こちらも「F4キー」でセルを固定します。

なお、R管理図の場合、群の大きさが「6」以下の場合、マイナス側は不要とするやり方もあります。

とりあえず、今はこのまま作っていきます。

グラフ化した後で、消すのはいくらでもできますので。

チェックシートの完成!

チェックシートの入力が終わりました。


次が最後の仕上げです。

入力したセルを全部選択し、右下の「四角」をクリックして・・・

ドラッグ~~!!

はい、完成です。


管理図を描こう!!

これで、準備は完了です。
管理図を描いていきます。

まずは、「Xbar管理図」から描きましょう。

次の手順で「サクッ」と書きましょう。
  1. チェックシートのXbar管理図のセルを選択
  2. キーボード「ALTキー」を押す
  3. キーボード「Nキー」を押す
  4. キーボード「Nキー」を押す
  5. キーボード「1キー」を押す
  6. キーボード「ENTERキー」を押す。

はい、グラフが描けました。


グラフの見た目をキレイに整えて・・・


こんな感じでしょう。

次に、「R管理図」も描いていきます。
  1. 今書いた「Xbar管理図」をコピーする
  2. コピーした「Xbar管理図」の空白をクリック
  3. チェックシートのグラフ参照先を動かす


はい、これでOK!?


せっかく、グラフの書式をキレイに整えたのに、元に戻ってしまいました。

グラフをキレイに整えるのは、意外と時間が掛かるもの。

何とかしたいですよね?

Excelの設定を変えちゃう

Excelの設定を変えるだけで、この問題は解決できます。

手順は、
  1. ファイルタブ
  2. その他→オプション
  3. オプションの「詳細設定
  4. スクロールして「グラフ
  5. 「現在のブックでグラフのデータ ポイントに応じて設定されるプロパティ(R)」のチェックを外す

ファイルタブ→その他→オプション→


詳細設定→スクロール→


グラフ→「現在のブックでグラフのデータ ポイントに応じて設定されるプロパティ(R)」


チェックを外す


これで、準備は完了です。

もう一度「R管理図」をコピーし直してみましょう。

これが「Xbar管理図」と「R管理図」だ!

このような感じで、書式がそのままコピーされます。
これなら、ラクですね。


あとは、グラフのタイトルを修正して「R管理図」の完成です。


「Xbar管理図」と「R管理図」を並べると、このようになります。


まとめ

今回「Xbar-R管理図」を題材にグラフを作成しました。
どのような管理図でも、グラフ化がカンタンにできるようにチェックシートを作ることが重要です。
「グラフはチェックシートで決まる」のです。

なお、今回は平均値±3倍の標準偏差のいわゆる「3σ(シグマ)法」を用いて説明しました。
管理図には、「3σ(シグマ)法」ではなく「係数法」が多く使用されます。

係数法であっても、グラフの描き方は同じですから、このまま活用できます。

どんどん、グラフを描いて「サクッ」と描けちゃうスキルを身に付けましょう。



オススメ書籍


管理図の教科書と言えば、コレですね。
堅苦しい本ですが、ムダなことは書いてありません。
この本を片手に管理図を描くのは最適です。

自己紹介

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品質管理に関するブログ「QCたかのたか流QC」では、自身の経験を活かし、品質管理への疑問、新しい提案、QCスキルのテクニックなどを配信。 「みんながハッピ〜♫になる品質管理を!」をポリシーに活動中。 品質管理検定1級合格。 日本品質管理学会所属。 機械加工、設計を経て、現在は半導体業界のメーカーで品質管理に従事。

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